- 書いた人
- 駒木 綾乃
- 最終更新

妊娠したら「妊婦のための支援給付」で最大10万円、出産すると「出産育児一時金」50万円、生まれたら「児童手当」が月1万5千円。会社で働いている人は、産休・育休中の給付と保険料の免除もあります。国の制度を、もらえる時期の順に、国や公的機関のページで確かめてまとめました。
この記事の内容
もらえるお金と制度の一覧
出産と子育てで使える国の制度を、時期の順に並べました。くわしくは、このあとの章で1つずつ書いています。金額は2026年10月23日に、国や公的機関のページで確かめたものです。
| いつ・制度 | 金額の目安(対象) |
|---|---|
| 妊娠したとき 妊婦のための支援給付 |
5万円+子どもの数×5万円(すべての妊婦) |
| 出産したとき 出産育児一時金 |
1人50万円(健康保険・国保の人) |
| 産休中 出産手当金 |
給料の約3分の2(会社の健康保険の人) |
| 育休中 育児休業給付金ほか |
はじめは手取りの約10割、その後67%→50%(雇用保険の人) |
| 産休・育休中 保険料の免除 |
健康保険・厚生年金の保険料がかからない(会社員など) |
| 産前産後・育児の期間 国民年金保険料の免除 |
保険料がかからない(自営業など) |
| 生まれたら 児童手当 |
月1万5千円(3歳まで)、その後月1万円 |
| 病院にかかったら 子どもの医療費の助成 |
自治体ごとに違う |
妊娠したとき ── 妊婦のための支援給付
妊娠がわかって市区町村に妊娠届を出すと、面談とあわせて5万円が支給されます。妊娠の後期以降には、おなかの子どもの数×5万円が支給されます[1]。1人なら合計10万円です。
2025年度(令和7年度)から、法律にもとづく制度になりました。それまでの「出産・子育て応援交付金」を引き継いだものです[1]。申請のしかたは市区町村ごとに案内があります。
出産したとき ── 出産育児一時金
健康保険(会社の保険・国民健康保険)に入っている人が出産すると、子ども1人につき50万円が支給されます。産科医療補償制度に入っている病院で、妊娠22週以降に出産した場合の金額です。それ以外の場合は48.8万円です[2]。
ふつうは「直接支払制度」を使います。健康保険から病院へ直接払われるので、窓口で50万円をいったん立て替えなくてすみます。入院のときに、病院から同意の書類が渡されます。費用が50万円より少なければ、差額があとから受け取れます。多ければ、超えた分を窓口で払います[2]。
出産の費用は、これから仕組みが変わる
2026年6月に、出産の費用の払い方を見直す法律が公布されました[3]。決まっている骨組みは、次のとおりです。
- 標準的な出産の基本の費用を国が決め、健康保険から病院へ直接払う。妊婦が払わずにすむようにする
- すべての妊婦に、決まった額の現金も支給する
- しばらくのあいだは、病院の選択で、いまの出産育児一時金のままにもできる
始まる日は「公布から2年以内に政令で決める日」とされていて、まだ決まっていません。現金の額も、これから決まります[3]。決まったら、この記事を更新します。

産休・育休中(会社で働いている人)
出産手当金
会社の健康保険に入っている人が、出産のために仕事を休み、その間に給料が出ないときに支給されます。期間は、出産予定日の42日前(双子以上は98日前)から出産の翌日から56日目までの休んだ日です[4]。
1日あたりの額は、直近12か月の標準報酬月額(給料をもとにした保険の計算の額)の平均を30で割り、その3分の2です[4]。申請は、会社を通して加入している健康保険へ出します。
育児休業給付金と、2025年からの上乗せ
雇用保険に入っている人が育児休業を取ると、育児休業給付金が支給されます。休業を始める前の賃金の67%で、休業を始めて181日目からは50%です[5]。
- 出生後休業支援給付金:
子どもが生まれてすぐの時期に、両親がそれぞれ14日以上の育児休業を取ると、最大28日間、13%が上乗せされます。67%と合わせて80%です。育休中は保険料が免除され、給付には税金がかからないので、手取りの約10割になります(ひとり親の場合など、配偶者の育休がなくても対象になることがあります) - 育児時短就業給付金:
2歳未満の子どものために勤務時間を短くして働くと、その間の賃金の10%が支給されます
申請は、会社を通してハローワークへ出します。
保険料の免除
産休中と育休中は、会社が申し出ると、健康保険と厚生年金の保険料が、本人も会社も払わなくてよくなります。払っていない期間も、将来の年金の計算では払ったものとして扱われます[7]。
国民年金の人(自営業・フリーランスなど)
国民年金の人は、出産予定日(または出産日)のある月の前の月から4か月間(双子以上は6か月間)、国民年金の保険料が免除されます。届け出は、出産予定日の6か月前からできます[8]。
さらに2026年10月から、子どもが1歳になるまでの育児の期間も免除されるようになりました。お母さんは産前産後の免除に続く9か月間、お父さんは子どもを育て始めた月から最大12か月間です。所得による制限はありません[9]。どちらも、免除の期間は年金の額に「払ったもの」として反映されます。届け出は市区町村の窓口へ。

生まれたら ── 児童手当
0歳から高校生の年代までの子どもを育てている人に支給されます。2024年10月分から、所得による制限がなくなり、高校生の年代まで延びました[1]。
- 3歳未満:月1万5千円
- 3歳から高校生の年代まで:月1万円
- 第3子以降:年齢にかかわらず月3万円
支払いは偶数月(2・4・6・8・10・12月)に、前の月までの2か月分ずつです。生まれた日の翌日から15日以内に、住んでいる市区町村へ申請します。遅れると、遅れた月の分を受け取れないことがあります[10]。
病院にかかったら ── 子どもの医療費
子どもの医療費は、国の健康保険で、小学校に入る前までは自己負担が2割になっています。そのうえで、住んでいる自治体が独自に助成をしていて、2025年4月の時点で、すべての都道府県と市区町村が何らかの助成をしています[11]。
何歳まで、いくら助成されるかは、自治体ごとに違います。市区町村では、通院・入院とも「高校生の年代まで」がいちばん多くなっています[11]。住んでいる市区町村のページで確かめてください。
医療費控除
1年間(1月〜12月)に払った医療費が多いときは、確定申告で医療費控除が使えます。妊婦健診や出産の入院費、出産で入院するときのタクシー代も対象です。ただし、出産育児一時金でまかなった分は、払った医療費から差し引きます。出産手当金は差し引かなくてかまいません[12]。
住んでいる自治体の上乗せ
国の制度に、自治体が独自の支援を上乗せしていることがあります。たとえば東京都では、子ども1人あたり10万円相当の育児用品などを選べる「赤ちゃんファースト」があり、2026年1月から2027年3月までに生まれた子どもには、さらに3万円相当が加わります。18歳までの子どもに月5千円を支給する「018サポート」もあります[13]。
自治体の支援は種類も申請の期限もさまざまです。妊娠届を出すときに、市区町村の窓口でまとめて聞いておくと、受け取り忘れを防げます。
この記事は、制度が変わったら確かめ直して、最終更新日と確認日を新しくします。
よくある質問
申請を忘れやすいのはどれ?
児童手当です。生まれた日の翌日から15日以内に、住んでいる市区町村へ申請します。遅れると、遅れた月の分を受け取れないことがあります。出生届と同じ日に出すと忘れません。
自営業・フリーランスでも、もらえるものはある?
妊婦のための支援給付、出産育児一時金(国民健康保険から)、児童手当、子どもの医療費の助成は、働き方に関係なく対象です。出産手当金と育児休業給付は、会社の健康保険や雇用保険に入っている人のものです。国民年金の人は、産前産後と育児の期間の保険料が免除されます。
参考にした資料
- こども家庭庁(2026)こども・子育て世帯を応援! 児童手当の拡充や妊婦のための支援給付など(リーフレット)
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)(2026)出産育児一時金について
- 厚生労働省 保険局(2026)健康保険法等の一部を改正する法律(令和8年法律第31号)の成立について(社会保障審議会 医療保険部会 資料)
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)(2026)出産手当金について
- 厚生労働省(2026)育児休業等給付の内容と支給申請手続(令和8年8月1日改訂版)
- 厚生労働省(2026)育児時短就業給付の内容と支給申請手続
- 日本年金機構(2026)厚生年金保険料等の免除(産前産後休業・育児休業等期間)
- 日本年金機構(2026)国民年金保険料の産前産後期間の免除制度
- 日本年金機構(2026)国民年金保険料の育児免除制度
- こども家庭庁(2026)児童手当制度のご案内
- こども家庭庁(2025)令和7年度「こどもに係る医療費の助成についての調査」について(報道発表)
- 国税庁(2026)No.1124 医療費控除の対象となる出産費用の具体例
- 東京都福祉局(2026)東京都出産・子育て応援事業 ~赤ちゃんファースト~
