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JOURNAL出産育児一時金とは:いくら、いつもらえる?

書いた人
駒木 綾乃
最終更新
確認日
(全国健康保険協会(協会けんぽ)「出産育児一時金について」)

出産育児一時金は、健康保険や国民健康保険に入っている人が出産すると、子ども1人につき原則50万円が支給される制度です。ふつうは「直接支払制度」で病院へ直接払われ、費用が50万円より少なければ差額を後から受け取れます。2026年10月に確かめた内容です。

この記事の内容

出産育児一時金は原則50万円

出産育児一時金は健康保険や国民健康保険に入っている人(またはその扶養に入っている家族)が出産したときに、お金を支給する制度です[2]。

金額は子ども1人につき原則50万円です[1]。2023年4月に、42万円から引き上げられました[2]。

50万円の中身は本人に支給される48.8万円と、産科医療補償制度の掛金分1.2万円です[2]。

次のとおり、出産した週数によって金額が分かれます[1]。

  • 産科医療補償制度に入っている病院で、妊娠22週以降に出産:50万円
  • 同じ制度に入っている病院で、妊娠22週に届かずに出産:48.8万円
  • 双子など:赤ちゃんの人数分が支給される

2023年度には、全国で約77万件、あわせて3,720億円が支給されました[2]。

対象になる人と、受け取れる回数

対象は次の人です。

  • 会社の健康保険に入っている人。
    本人が出産したときは「出産育児一時金」、扶養に入っている家族が出産したときは「家族出産育児一時金」が支給されます[1]
  • 国民健康保険に入っている人。
    自営業やフリーランスの人などです。金額は市区町村が条例で定めます[2]

会社の健康保険をやめたあとでも、条件を満たせば受け取れます。やめる日の前日までに、健康保険に1年以上つづけて入っていて、やめてから6か月以内に出産した場合です[1]。

ただし、同じ出産で受け取れるのは1回だけです。複数の健康保険から重ねては受け取れません[1]。 丸いおなかを包むニットの上で、ノートの上に鉛筆を構える妊婦の両手

直接支払制度での受け取り方

出産の費用が高くても、いったん全額を立て替える必要はありません。ふつうは「直接支払制度」を使います。健康保険から病院へ、一時金が直接払われる仕組みです[1]。

流れは次のとおりです。

  1. 出産する病院で、同意の書類にサインする。
    退院するまでに同意します
  2. 退院のときに、差額だけ払う。
    出産の費用が50万円を超えたときは、超えた分を病院の窓口で払います
  3. 50万円より少なかったら、差額が振り込まれる。
    協会けんぽの場合は、出産からおよそ3か月後に「差額申請書」が届きます。申請すると、差額を受け取れます[1]

差額の書類が届いたら、忘れずに出しましょう。

先にお金が必要なとき

直接支払制度を使わない、という選び方もあります。その場合は、出産の費用を退院までに病院へ全額払い、あとから自分で一時金を請求します。申請先は加入している健康保険(協会けんぽなら、都道府県の支部)です[1]。

ほかに、次の仕組みもあります。

  • 受取代理制度。
    病院が本人に代わって一時金を受け取る仕組みです。出産予定日まで2か月以内の人が対象で、厚生労働省に届け出た一部の病院だけで使えます[1]
  • 出産費貸付制度。
    一時金が支給される前に、その8割までを無利子で借りられる制度です。協会けんぽの場合、出産予定日まで1か月以内の人、または妊娠4か月以上で病院への支払いが先に必要な人が対象です[1]

くわしい条件は加入先の健康保険のページや窓口で確かめてください。

白い紙の上の木の鉛筆をつかむ赤ちゃんの小さな手と、紙の端を押さえる大人の手

これから仕組みが変わります

2026年6月5日に、出産の費用の払い方を見直す法律(健康保険法等の一部を改正する法律・令和8年法律第31号)が公布されました[3]。決まっている骨組みは次のとおりです[3]。

  • 保険診療以外の分娩について、国が基本の単価を決める。健康保険から病院へ直接払い、妊婦に負担が生じないようにする
  • すべての妊婦に、定額の現金を支給する。金額は政令で決める
  • 当分のあいだ、病院が選べば、いまの出産育児一時金のままにもできる

新しい仕組みが始まる日は「公布後2年以内に政令で定める日」とされていて、まだ決まっていませ[3]ん。始まる日が決まるまでは、この記事で書いた出産育児一時金の仕組みです。

仕組みの変わり目の話は「出産費用の無償化は、いつから?」にまとめています。実際にかかる費用は「出産費用の全国平均と、内訳」で、一時金のほかにもらえるお金は「出産・子育てでもらえるお金と制度の一覧」で確かめられます。東京都の人は「赤ちゃんファースト」も合わせてどうぞ。

出産前に用意するもの(沐浴と肌まわり)は「出産準備リスト」にまとめました。

この記事は制度が変わったら確かめ直して、確認日を新しくします。

よくある質問

出産育児一時金は、50万円をいったん自分で払うの?

ふつうは払いません。「直接支払制度」を使うと、健康保険から病院へ直接払われます。入院のときに病院から同意の書類が渡されます。出産の費用が50万円より少なければ差額があとから受け取れ、多ければ超えた分を退院のときに窓口で払います。

仕事をやめたあとに出産しても、もらえる?

会社の健康保険に1年以上入っていた人が、やめたあと6か月以内に出産した場合は支給されます。国民健康保険に入っている人は、市区町村から支給されます。同じ出産で受け取れるのは1回だけです。

参考にした資料

  1. 全国健康保険協会(協会けんぽ)(2026)出産育児一時金について
  2. 厚生労働省(2026)これまでの議論の経緯と検討会の開催について(妊娠・出産・産後における診療やケアの内容等に関する検討会 第1回 資料2・令和8年10月1日)
  3. 厚生労働省 保険局(2026)健康保険法等の一部を改正する法律(令和8年法律第31号)の成立について(社会保障審議会 医療保険部会 資料1・令和8年6月18日)