- 書いた人
- 駒木 綾乃
- 最終更新

赤ちゃんの虫刺されは、刺された翌日に赤く腫れることが多く、原因の虫がわからないことも少なくありません。蚊・ブユ・ダニの刺され方の手がかり、家での記録のしかた、掻き壊したときの注意、受診の目安を、日本皮膚科学会の資料をもとに、わかりやすく整理しました。
この記事の内容
赤ちゃんの虫刺されは、翌日に腫れることが多い
赤ちゃんの虫刺されは、刺された直後より、あとから赤みやかさつきが目立つことがあります。日本皮膚科学会によると、虫に刺されたあとの皮膚の反応は、2つに分けられます。
- 即時型反応。
刺されたり、血を吸われたりした直後に、かゆみ、赤み、じんましんが出ます。数時間で軽くなります[1] - 遅延型反応。
1〜2日後に、かゆみ、赤み、ぶつぶつ、水ぶくれが出ます。数日から1週間ほどで軽くなります[1]
蚊の場合、この反応は年齢によって変わります。乳幼児期は遅延型反応だけが出ます。幼児期から青年期は、即時型と遅延型の両方が出ます。青年期から壮年期は、即時型だけになります[2]。ただし、体質や刺された回数による個人差も大きいとされています[2]。
乳幼児期は遅延型反応だけが出るため、刺されて1〜2日後に赤くなる、という経過になりやすいということです。
蚊・ブユ・ダニ:場所と時間が手がかり
どの虫に刺されたかは、わからないことが多いものです。日本皮膚科学会も、刺される場面を見ていないことが多く、原因がわからないことも少なくないと書いています[8]。手がかりになるのは、刺された場所と、症状が出た時間です。
- 蚊。
顔や手足など、肌の露出している部分を刺すことが多いです。庭や公園ではヒトスジシマカ、室内ではアカイエカが多いとされています[2] - ブユ(ブヨ)。
体長2〜4mmほどの、ハエに似た虫です。高原や山間部の渓流沿いに多く、朝夕に、露出したすねのあたりを刺されやすいです。刺されている最中は痛みもかゆみもほとんどなく、気づかないことが多いです。小さな出血点が見られることがあり、半日ほどすると赤く腫れて、かゆみが強くなります[3] - イエダニ。
ネズミに寄生するダニで、夜、寝室に入り込み、衣類の中で血を吸います。わき腹、下腹部、ふとももの内側など、服で隠れた部分が刺されやすく、顔や手足はほとんど刺されません。強いかゆみのある赤いぶつぶつが出ます[4] - マダニ。
体長2〜8mmと大きく、山道沿いの草地や河川敷などにいます。血を吸うと腹部がふくらみ、数日から1週間ほどで自然に落ちます。無理に引き抜くと、頭部が皮膚に残って炎症の原因になることがあります[4]
布団やカーペットにすむチリダニ(ヒョウヒダニ)は、皮膚から血を吸うことはありません[4]。

家でできること:様子を見て、記録しておく
日本皮膚科学会によると、虫刺されの多くは、1〜2週間以内によくなります[5]。赤みやかゆみが強いときの治療は、市販のかゆみ止めの外用薬で足りることもあれば、ステロイドの外用薬が必要なこともあります。赤ちゃんに使う薬は、小児科、皮膚科、薬剤師に聞いてから選んでください。
受診するときに役立つのが、記録です。刺した虫によって対処や治療が変わるため、虫を捕まえられたら、実物を持っていきます。むずかしければ、スマートフォンで写真を撮っておきます[5]。いつ、どこで、どのあたりを刺されたかも、メモしておくと伝わりやすくなります。
同じ場所に、新しい赤いぶつぶつが次々に出るときは、家の中に虫がいるかもしれません。治療は今ある皮膚症状を抑えるもので、原因の虫が身近にいると、新しい皮疹は出つづけます。その場合は、虫を確認して、駆除する必要があります[5]。
掻き壊しに気をつける:とびひになることも
赤ちゃんは、かゆくても我慢できずに、掻いてしまいます。日本皮膚科学会によると、とびひ(伝染性膿痂疹)は、ブドウ球菌や溶連菌による皮膚の感染症です。あせも、虫刺され、湿疹を掻いた傷や、転んでできた傷に、あとから菌がついて起こります。鼻をさわる癖があると、その手で虫刺されを掻いて、広がることもあります[7]。
とびひは、接触によってうつり、短い期間で周りに広がります[7]。掻いた傷の様子が変わってきたら、早めに小児科か皮膚科に相談してください。
日本皮膚科学会は、とびひの予防として、手洗いをする、爪を短く切る、かきむしって皮膚を傷つけないようにする、ことを挙げています[12]。肌の赤みが虫刺されなのか、あせもや湿疹なのか迷うときは「あせもと乳児湿疹の違いは? 見分け方と、家でできること・受診の目安」も読んでみてください。

受診の目安
次のようなときは、病院に相談します。
- 全身の症状があるとき。
全身のじんましん、腹痛、呼吸が苦しい、意識がなくなる。こうした症状は、アレルギー反応が強く出た「アナフィラキシー」の症状です[6]。日本皮膚科学会は、ハチ刺されで全身の症状が出たときは、すぐに救急車を呼ぶよう案内しています[11] - 症状が強いとき。
赤みやかゆみが強い。日本皮膚科学会は、症状が強い場合は皮膚科専門医を受診するのがよいとしています[5] - マダニがついているとき。
無理に引き抜かず、病院で相談します[4]
医師には、いつ、どこで、どの虫に刺されたと思うか、写真、使った薬を伝えます。
虫刺されを防ぐ
日本皮膚科学会は、野外では、肌の露出を減らし、虫よけスプレーなどの忌避剤を使うことで、蚊・ブユ・マダニなどをある程度防げるとしています[9]。赤ちゃんの月齢ごとの使い方は「赤ちゃんの虫よけは、いつから何を使える?」に、外出の全体像は「赤ちゃんの外出、紫外線と虫はどう気をつける?」にまとめました。
汗や汚れを洗い流して、肌を整える毎日の流れは「赤ちゃんの洗い方まとめ:沐浴から入浴まで、毎日のお風呂の流れ」にあります。
&UTA は、「洗って、うるおす。この2つで、毎日。」のスキンケアです。ボディソープは、クリーミーな濃密泡です。新生児から、家族みんなで使えます。汚れを落とし、皮膚を清浄にします[10]。洗ったあとは、ミルクローションで保湿を。乳酸菌(エンテロコッカスフェカリス)を配合した弱酸性のローションで、皮膚にうるおいを与え、乾燥を防ぎます[10]。
よくある質問
赤ちゃんの虫刺されは、なぜ翌日に腫れるの?
日本皮膚科学会によると、蚊に刺されたときの皮膚の反応は、年齢とともに変わります。乳幼児期は、刺されて1〜2日後に赤みとかゆみが出る「遅延型反応」だけが出ます。幼児期から青年期は、すぐ出る反応と遅れて出る反応の両方が出ます。個人差もあります。
赤ちゃんの虫刺されは、いつ病院に行けばいい?
日本皮膚科学会は、症状が強いときは皮膚科専門医を受診するのがよいとしています。全身のじんましん、腹痛、呼吸が苦しい、意識がなくなるなどの全身の症状があるときは、すぐに救急車を呼びます。
この記事は一般的な情報です。肌の症状が続くとき、気になるときは、医師にご相談ください。
参考にした資料
- 日本皮膚科学会(—)皮膚科Q&A 虫さされ Q2 虫刺されの皮膚症状は?
- 日本皮膚科学会(—)皮膚科Q&A 虫さされ Q4 蚊に刺されたらどうなりますか?
- 日本皮膚科学会(—)皮膚科Q&A 虫さされ Q6 ブユに刺されたらどうなりますか?
- 日本皮膚科学会(—)皮膚科Q&A 虫さされ Q8 ダニに刺されたらどうなりますか?
- 日本皮膚科学会(—)皮膚科Q&A 虫さされ Q12 虫刺されの治療はどうすればよいですか?
- 日本皮膚科学会(—)皮膚科Q&A 虫さされ Q3 虫刺されの全身症状は?
- 日本皮膚科学会(—)皮膚科Q&A とびひ Q1 “とびひ”とは何ですか?
- 日本皮膚科学会(—)皮膚科Q&A 虫さされ(導入文)
- 日本皮膚科学会(—)皮膚科Q&A 虫さされ Q13 虫刺されの予防はどうすればよいですか?
- 厚生労働省(2011)化粧品の効能の範囲の改正について(薬食発0721第1号)
- 日本皮膚科学会(—)皮膚科Q&A 虫さされ Q10 ハチ刺されの対策は?
- 日本皮膚科学会(—)皮膚科Q&A とびひ Q9 とびひの予防はどうしたらよいですか?
NEXT
次に読む
肌と成分赤ちゃんのRELATED
あわせて読みたい
肌と成分赤ちゃんの外出、 赤ちゃんと外出するときの紫外線と虫への備えを、環境省・日本皮膚科学会・国立感染症研究所の資料をもとにまとめました。強い時間帯を外し、帽子と服で覆い、虫は長袖と忌避剤で防ぎます。日焼け止めは覆えない所に使い、帰ったら洗って保湿までの流れを、順に書きました。紫外線と 虫はどう 気をつける? 日差しと 虫刺されの 基本
肌と成分赤ちゃんの洗い方まとめ 沐浴から入浴まで、毎日のお風呂の流れ
肌と成分あせもと乳児湿疹の あせもは、汗の出口がつまってできる小さなブツブツで、首・わき・ひじやひざの内側など汗のたまるところに出ます。乳児湿疹は、生後まもなくから頭や顔に出ることが多い湿疹の呼び名です。できる場所と時期の違い、家でできること、受診の目安を、公的な資料の言葉どおりにまとめました。違いは? 見分け方と、 家でできること・ 受診の 目安
GROUPS