- 書いた人
- 駒木 綾乃
- 最終更新
- 確認日
- (JAF「猛暑時のクルマに関する注意点」)

夏のチャイルドシートで赤ちゃんが汗をかくのは、車内とシートが熱くなるためです。JAFの検証では日なたの車内は10分で約39℃。乗せる前のシートの確かめ方、ハーネスの決まり、降ろしたあとの汗の始末、車に残さない決まりまで、公的な資料でまとめました。
この記事の内容
夏の車で、チャイルドシートから降ろした赤ちゃんの背中が汗でぐっしょりしている。ベルトの下は赤くなっていないか、と気になる人へ。暑さへの備えを、JAFや環境省の資料をもとにまとめます。守るべき安全の決まりも、あわせて書きます。
夏のチャイルドシートで、赤ちゃんが汗をかくわけ
まず、車の中の温度です。JAFの検証では、日なたに駐車した車内は10分で約39℃、90分後には53℃まで上がりました[2]。日陰に駐車しても、90分後には33℃になります[2]。
熱がたまるのは、空気のほかに、シートも同じです。JAFは、ハンドルやダッシュボードと並べて、チャイルドシートの表面やベルトの金具にも熱がたまると案内しています[1]。
環境省の資料には、熱中症が起きやすい場面として「乳幼児は車内で多い」と書かれています[5]。同じ資料に、子どもは皮膚からの放熱で体温を下げる割合が高く、まわりの温度が高いときには特に注意が必要だとあります[5]。
もうひとつ、赤ちゃんの体の事情があります。岡山大学病院薬剤部の資料によると、汗腺の数は大人も子どももほぼ同じです。体が小さいぶん、小さな面積に汗腺が集まり、たくさん汗をかきます[8]。同じ環境省の資料は、子どもは大人より暑い環境にいるとして、涼しい服装にして、衣類を着たり脱いだりして調節するよう案内していま[5]す。
乗せる前にできること
- 車内を先に冷やす。
JAFの検証では、55℃になった車内を、窓を全開にしてエアコンを外気導入にして走り、熱気を出してから、窓を閉めて内気循環で冷やす方法が効率的でした。エアコンをつけて走ると、5分後に28.0℃まで下がりました[3] - シートと金具を、大人が手で触って確かめる。
車内の温度が下がっても、ハンドルやダッシュボードには熱が残ることがあります。チャイルドシートの表面やベルトの金具で、子どもがやけどをした例もあるとJAFは書いています[3] - 熱いときは、乗せる前に冷ます。
日よけをかける、シートにタオルをかぶせて出かける、などが考えられます。ベルトの金具は、手で持てる熱さか、乗せる前に確かめます

乗っているあいだ:暑くても、ベルトはゆるめない
暑そうだからといって、ベルトをゆるめるのはやめましょう。JAFは、ハーネスがゆるいと子どもが飛び出して危険だと案内しています[6]。締め具合の目安は、幼児用の案内では、大人の指がすべり込む程度です[6]。乳児専用タイプでは、調節用ベルトを引いて、赤ちゃんの身体にぴったりフィットさせます[7]。
夏の服は、薄着で足りるようにします。JAFは、厚着をしたまま座らせるとハーネスからすり抜けやすくなるため、できれば上着を脱いでから座らせるよう書いています[6]。夏は、通気のよい綿などの薄い服ですむので、この点では備えやすい季節です。
チャイルドシートは、6歳未満の子を乗せるときの使用が道路交通法で決まっています[9]。乳児専用タイプは、後ろ向きに取り付けます。背もたれの角度は45度で、赤ちゃんの肩とハーネスのあいだにすき間ができないように高さを調節します[7]。くわしくは「チャイルドシートのベルトで赤ちゃんの肌が赤くなるとき」に書きました。
- 長い移動は、こまめに止まって休みます。車を止めたら、すぐに車外へ出て、赤ちゃんの様子を見ます
- 顔が赤く、ひどく汗をかいているときは、体の中の温度がかなり上がっているとみて、涼しい場所で十分に休ませます。環境省の資料にある注意です[5]。
降ろしたあと:汗をふいて、着替える
車から降ろしたら、汗をそのままにしません。岡山大学病院薬剤部の資料は、あせもの予防の基本は肌を清潔に保つことだとして、汗をかいたらタオルなどでこまめにふく、着替えを持っていく、大量に汗をかいたらシャワーを浴びる、通気のよい木綿などの衣類を選ぶ、と案内しています[8]。
赤ちゃんは、首まわり、背中、ひじやひざの内側に汗がたまりやすく、あせもができやすい場所です。出かける前に、着替えとガーゼのタオルをバッグに入れておくと、降ろしてすぐに対応できます。
あせもの見分け方や、汗の始末のくわしいやり方は、次の記事にあります。

少しの間でも、車に残さない
JAFのまとめでは、2025年8月の1か月に、子どもやペットが車内に残されたままのキー閉じこみで出動した救援が、全国で194件ありました。「少しの時間だから」「寝ているから」といった理由で離れることが、車内の熱中症を招くおそれがあるとしています[4]。
JAFは、天候や気温、エアコンの使用状況にかかわらず、子どもを車内に残して離れないよう呼びかけています[4]。チャイルドシートへ乗せ替えているあいだにキーを車内に置いて施錠してしまう閉じこみもあるため、乗せ降ろしのときは、スマートキーを持ったままにします。
エアコンをつけているときも、安心しきらないでください。日陰でも、車内に子どもや高齢者、ペットを残さないよう、JAFは書いています[2]。
よくある質問
夏は、チャイルドシートのベルトをゆるめて、涼しくしてもいい?
ゆるめません。JAFは、ハーネスがゆるいと子どもが飛び出して危険だとして、大人の指がすべり込む程度に締めるよう案内しています。暑さには、乗せる前に車内とシートを冷やす、薄着にするなど、ベルト以外の方法で備えます。
チャイルドシートの金具は、夏に熱くなる?
JAFは、ハンドルやダッシュボード、チャイルドシートの表面やベルトの金具に熱がたまり、やけどのおそれがあるとして注意をよびかけています。乗せる前に、大人が手で触って確かめましょう。
参考にした資料
- JAF(日本自動車連盟)(—)猛暑時のクルマに関する注意点
- JAF Mate Online(2026)【夏の車内温度・熱中症対策】「日陰だから」「エアコンがついているから」は危険!車内リスクの検証と予防・応急処置まとめ(2026年8月4日)
- JAF Mate Online(2023)酷暑の夏。駐車した車内の温度を早く下げるのに有効な方法とは?(2023年7月31日)
- JAF(日本自動車連盟)(2026)子どもやペットを車内に残したキー閉じこみ、JAFへの救援要請は昨年8月の1カ月で194件!(2026年7月14日)
- 環境省(2014)日常生活における熱中症 子どもと高齢者の熱中症予防策(熱中症対策に係る地方自治体等担当者向け講習会資料)
- JAF(日本自動車連盟)(—)チャイルドシート クイックガイド(幼児用チャイルドシート)
- JAF(日本自動車連盟)(—)チャイルドシート クイックガイド(乳児専用タイプ)
- 岡山大学病院薬剤部(2021)薬の窓口 No.328(あせも)
- 警察庁(—)子供を守るチャイルドシート
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