amazon& UTA

ジャーナル / お金と暮らし / 産休・育休の給付

JOURNAL出産手当金とは:いつ、いくらもらえる? ── 対象・期間・計算のしかた

書いた人
駒木 綾乃
最終更新
確認日
(全国健康保険協会(協会けんぽ)「出産手当金について」)

出産手当金は、会社の健康保険に入っている人が出産で仕事を休み、給料が出ないときにもらえるお金です。期間は出産予定日の42日前から出産の翌日以後56日目まで。1日の額は、標準報酬月額の平均を30で割った額の3分の2です。申請は加入している健康保険へ、計算例つきで書きました。

この記事の内容

出産手当金とは。いつ、いくらもらえる?

出産手当金は、会社の健康保険に入っている人が、出産のために仕事を休み、その間に給料の支払いを受けなかったときに支給されるお金です[1]。はじめに、要点を3つにまとめます。

  • いつ。
    出産予定日の42日前から、出産の翌日以後56日目までの、会社を休んだ日が対象です。双子以上のときは、98日前からになります[1]
  • いくら。
    1日あたり、標準報酬月額の平均を30で割った額の3分の2です[1]
  • どこへ。
    加入している健康保険に、「健康保険出産手当金支給申請書」を出します。協会けんぽの場合は、都道府県の支部です[1]

標準報酬月額は保険料や給付の計算に使う、給料をもとにした金額です。出産日はこの期間に含まれます[1]。

妊娠から子育てまでの制度を時期の順に見たいときは、出産・子育てでもらえるお金と制度の一覧をどうぞ。この記事はその中の出産手当金だけをくわしく書いたものです。

もらえる期間は予定日の42日前から出産の翌日以後56日目まで

出産手当金の対象になるのは出産予定日以前42日から、出産の翌日以後56日目までの範囲で、会社を休んだ期間です。双子以上のときは、産前が98日になります[1]。

出産が予定日より遅れたときは、遅れた期間も対象になります[1]。予定日どおりに出産した場合と、予定日より遅れた場合の期間の図は協会けんぽのページにあります。日にちを1日ずつ数えたいときは、ページが案内している「産前産後期間一覧表」が早いです[1]。

産前産後の休業中は、会社が申し出ると、健康保険と厚生年金の保険料が、本人も会社も払わなくてよくなります。免除された期間は将来の年金額を計算するとき、保険料を納めた期間として扱われます[3]。

丸いおなかに、小さな編みの帽子と靴下をそっと重ねる母親の手

金額は標準報酬月額の平均から計算する

1日あたりの額は次の式で出します[1]。

標準報酬月額の平均 ÷ 30 × 3分の2

標準報酬月額の平均は支給が始まる日より前の、直近12か月の分です。端数は30で割った額を10円未満で四捨五入し、3分の2にした額を1円未満で四捨五入します[1]。

計算の例

協会けんぽのページにある例は次のとおりです[1]。標準報酬月額が16万円の月と18万円の月が6か月ずつあり、平均が17万円のとき、30分の1は5,670円、その3分の2で1日あたり3,780円になります。

もうひとつ、平均が30万円の場合を同じ式で計算してみます(これは例です。実際の額は加入先の計算で決まります)。

  • 30万円 ÷ 30 = 1万円
  • 1万円 × 3分の2 = 6,666.7円 → 1日あたり6,667円
  • 30日分なら、6,667円 × 30 = 200,010円

加入して12か月に満たないとき

支給が始まる日より前の加入期間が12か月に満たないときは、次の2つのうち、低いほうの額で計算します[1]。

  • 支給が始まる日の月より前の、直近の各月の標準報酬月額の平均
  • 全加入者の標準報酬月額の平均。支給が始まる日が2025年4月1日以降なら32万円(それより前は30万円)

給料が出たとき、退職したとき

休んだ期間に給料が出たとき

給料の日額が出産手当金の日額より少なければ、差額が支給されます[1]。

傷病手当金との関係

出産手当金と傷病手当金は同じ日に重ねて受け取れません。傷病手当金のほうが多いときは、その差額が傷病手当金として支給されます[1]。

退職したあと

出産のために仕事を辞める人も、次の2つにあてはまれば、辞めたあとも受け取れます[1]。

  • 辞める日の前日までに、任意継続の期間をのぞいて、被保険者の期間が1年以上続いている
  • 辞める日の前日に、出産手当金を受けている、または受けられる状態にある

休職(有給休暇をふくむ)のまま退職する場合は、引き続き受け取れる例が示されています。いっぽう、退職する日に出勤すると、辞めたあとの分は受け取れません。退職の日にちは受け取れるかどうかに関わるので、決める前に加入先へ確かめておくと安心です[1]。

申請のしかた

申請書は「健康保険出産手当金支給申請書」です。提出先は加入している協会けんぽの都道府県支部です[1]。協会けんぽのこのページには書き方や必要な書類、申請の期限は載っていません。産休に入る前に、勤め先の担当者か加入先に聞いておきましょう。

協会けんぽ以外の健康保険に入っている人は、加入先の案内も見てください。この記事の数字と文言は協会けんぽのページで確かめたものです。

日の入るテーブルで、白紙のノートの上にペンを持つ妊娠中の母親の手

産休のあとにもらえるお金

産後休業のあいだは出産手当金(給料の約3分の2)、そのあとの育児休業のはじめの180日は育児休業給付金(休業前の賃金の67%)、181日目からは50%、という流れです[2]。出産手当金はハローワークが取り扱う制度ではなく加入している健康保険の運営機関に問い合わせる制度です[2]。

育休中のお金は金額と期間を育児休業給付金の金額と期間に、お父さんが育休を取るときのお金をパパの育休で、もらえるお金にまとめています。

出産の準備はお金の手続きのほかにも、用意するものがいろいろあります。沐浴とスキンケアの分は出産準備リストで確かめられます。

よくある質問

出産手当金は、1日いくらもらえる?

標準報酬月額の平均を30で割り、その3分の2です。たとえば平均が30万円なら、30万円÷30=1万円、その3分の2で1日あたり約6,667円になります(計算の例です)。

産休中に給料が出たら、出産手当金はもらえない?

給料の日額が出産手当金の日額より少なければ、差額が支給されます。休んだ期間に給料が出ていても、全額がなくなるわけではありません。

参考にした資料

  1. 全国健康保険協会(協会けんぽ)(2026)出産手当金について
  2. 厚生労働省(2026)育児休業等給付の内容と支給申請手続(令和8年8月1日改訂版)
  3. 日本年金機構(2026)厚生年金保険料等の免除(産前産後休業・育児休業等期間)