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READING保育園に入って肌荒れが増えたとき:集団生活で気をつけたい皮膚の病気と、受診の目安

書いた人
駒木 綾乃
最終更新

保育園に入ると、子どもの肌の赤みやぶつぶつに気づく機会が増えます。保育所のガイドラインと日本皮膚科学会の資料をもとに、とびひ・水いぼ・発疹をともなう病気の見分けの手がかり、園とのやりとり、家でできること、受診の目安、医師に聞くことをまとめました。

保育園で肌荒れが気になるとき、まず知っておくこと

保育園では、子ども同士が近くで遊び、食べ、お昼寝をします。保育所のガイドラインは、こうした場面では子ども同士が濃く接するので、飛沫感染や接触感染が起こりやすいとしています[1]。

とくに乳児は、床をはい、手にふれるものをなんでもなめます。ガイドラインは、乳児には接触感染にとくに気をつける、としています[1]。また、体の表面に病原体がついただけでは感染は成り立たず、傷のある皮膚から入ることもあると説明しています[1]。

保育園で肌に出てくるものは、うつる病気だけではありません。汗やかゆみ、引っかき傷から始まるものもあります。次の節から、園で見かけやすいものを順に見ていきます。

肌のうつる病気:とびひと水いぼ

ガイドラインが肌の病気として取り上げている代表は、とびひ(伝染性膿痂疹)と水いぼ(伝染性軟属腫)です[1]。

とびひは、水ぶくれやただれ、かさぶたが、鼻のまわり、体、手足にできる病気です。患部をひっかくと、数日から10日ほどで、となりや離れた場所にも広がります[1]。日本皮膚科学会のQ&Aは、あせも・虫刺され・湿疹をひっかいた傷から、とびひになることがあると説明しています[2]。くわしい見分け方は「とびひの見分け方は?」を読んでみてください。

園との関係では、次のことが決まりごとになっています[1][3][4]。

  • 患部を薬で処置し、しみ出る液が出ないようガーゼなどで覆ってあれば、通園できる
  • 病変が広い場合や、全身の症状がある場合は、休んで治療することがある
  • プールの水ではうつらないが、ふれることで悪化したり、人にうつしたりするので、プールは治るまでやめる
  • 子ども同士で、タオルや寝具は共用しない

水いぼは、1〜5mmほどの、つやのあるしこりが、数個から数十個集まってできます[1]。うつり方は皮膚と皮膚の直接の接触で、タオル、浮き輪、ビート板などを通してうつることもあります[1]。ふれてから出るまでに2〜7週間かかるといわれ、いつうつったかは特定しにくいとされています[1]。ガイドラインは、衣類や包帯、耐水性のばんそうこうなどで覆って、ほかの子にうつさないようにするとしています[1]。水いぼは「水いぼの見分け方は?」にまとめています。

明るい窓辺で、半そでの綿の服を着た幼児が床にすわって積み木で遊ぶ

発疹が出たとき:園が見ていること

熱といっしょに発疹が出る病気も、園ではよく話題になります。ガイドラインは、園が保護者に連絡して受診をすすめる場面を、次のように分けています[1]。

  • かぜのような熱が一度下がり、また上がって、赤い発疹が全身に広がった
  • 微熱のあとに、手のひら、足の裏、口の中に水ぶくれが出た(手足口病)
  • 微熱と同時に、両ほおにりんごのような赤みが出た(伝染性紅斑)
  • 水ぶくれのような発疹が出た(水痘)

発疹の様子を見るとき、ガイドラインがあげている観察のポイントは次のとおりです[1]。

  • 時間とともに増えていかないか
  • 出ている場所はどこか(どこから出はじめて、どう広がったか)
  • 形はどうなっているか(盛り上がっているか)
  • かゆがるか、痛がるか
  • ほかの症状はないか

病院に行くときも、この5つをメモしておくと、先生に伝えやすくなります。受診の準備は「湿疹で受診するとき、準備しておくこと」にもまとめています。

手足口病は、登園の目安が「発熱や口の中の水ぶくれ・潰瘍の影響がなく、ふだんの食事がとれること」とされています[1]。

登園を控えるのが望ましいとされる場合

ガイドラインは、保護者から登園前に相談を受けたとき、登園を控えるよう伝えるのが望ましい例として、次のものをあげています[1]。

  • 熱といっしょに発疹がある
  • 感染症による発疹が疑われ、医師に登園を控えるよう言われた
  • 口内炎がひどく、食事や水分がとれない
  • 発疹が顔などにあり、患部を覆えない
  • しみ出る液が多く、ほかの子にうつすおそれがある
  • かゆみが強く、手で患部をかいてしまう

食べ物を口にしたあとに発疹が出て、そのあとおなかの痛みや吐き気、息苦しさが出たときは、食物アレルギーによるアナフィラキシーの可能性があり、至急の受診が必要と書かれています[1]。

家でできること

園での過ごし方のほか、家では次のことができます。どれも、ガイドラインにある、発疹のときや、とびひの予防としてのケアです[1]。

  • 爪を短く切る。
    引っかいて皮膚を傷つけないようにします。爪のケアは「赤ちゃんの爪の切り方は?」にあります
  • 1日1回以上、全身をシャワーなどでよく洗う。
    石けんはよく泡立てて、そっと洗い、よくすすぎます
  • 体温が高くなったり、汗をかいたりするとかゆみが増す。
    部屋の温度に気をつけ、換気やエアコンで調整します
  • 肌ざわりのやさしい、木綿などの下着を着せる

洗い方は「赤ちゃんの洗い方まとめ」で順に見られます。あせもとの違いは「あせもと乳児湿疹の違いは?」にまとめました。

白いタオルと水を入れたボウル、たたんだガーゼが窓辺の丸椅子に置かれている

受診の目安と、医師に聞くこと

次のようなときは、小児科か皮膚科に相談します。

  • 熱といっしょに発疹が出た
  • 発疹が時間とともに増えていく
  • 水ぶくれやただれ、かさぶたが広がる、しみ出る液が多い
  • かゆみが強く、かきむしってしまう
  • 食べ物のあとに、息苦しさや吐き気をともなう発疹が出た(至急の受診)

強いかゆみのある発疹は、皮膚科にかかる目安とされています[1]。園で疥癬(かいせん)が流行しているときは、受診の際にそのことを伝えるとよい、ともガイドラインに書かれています[1]。

医師には、次のことを聞いてみてください。

  • 園は休むのか、通ってよいのか。通うとき、どう覆うのか
  • プールや水遊びはいつからよいのか
  • 登園のときに、意見書や登園届が必要か

診断と治療は医師が行います。家で判断せず、気になるときは受診してください。

よくある質問

保育園で、肌の病気がうつることはありますか?

あります。保育所のガイドラインは、とびひや水いぼは皮膚の接触でうつるとしています。引っかいた手で別の場所をさわると、そこにも広がることがあります。園での過ごし方は、園と医師に相談して決めます。

発疹が出たとき、園に何を伝えますか?

出はじめた日、どこから広がったか、かゆがるか・痛がるか、熱があるかを伝えます。保育所のガイドラインは、園が発疹の様子を見るときの観察点として、同じ項目をあげています。

参考にした資料

  1. こども家庭庁(2023)保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版・2023年10月一部修正)
  2. 日本皮膚科学会(—)皮膚科Q&A とびひ Q1 “とびひ”とは何ですか?
  3. 日本皮膚科学会(—)皮膚科Q&A とびひ Q18 幼稚園・保育園、学校は行ってもいいですか?
  4. 日本皮膚科学会(—)皮膚科Q&A とびひ Q11 プールへ行ったり、水泳をしてもよいですか?

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